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Salesforce変更セットリリースの落とし穴:項目レベルセキュリティの設定

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Salesforceの開発において、Sandboxで作成したカスタムオブジェクトを本番環境にリリースする場合、この移行には変更セットが使用されます。
一見シンプルに見えるこのプロセスには、意外な落とし穴が潜んでいます。
本記事では、私が実際に経験した問題と、その解決方法について共有します。

私の経験した問題

以前、Sandboxで開発したカスタムオブジェクトを、変更セットを使用して本番環境にリリースしました。
リリース自体は成功したように見えましたが、本番環境でページレイアウトを確認したところ、驚くべきことに追加したはずの項目が一つも表示されていませんでした

オブジェクトマネージャーから確認すると、項目自体は存在していました。しかし、なぜかページレイアウトには表示されていなかったのです。

なぜページレイアウトに表示されなかったのか?

調査の結果、問題の原因が明らかになりました。
リリースしたカスタムオブジェクトの項目の参照権限が設定されていなかったのです。

ポイント

変更セットでは、オブジェクトや項目の構造は移行されますが、項目レベルセキュリティの設定は自動的には移行されません

なぜプロファイルの変更セット追加が推奨されないのか

この問題に対する解決策の一例として、プロファイルを変更セットに含める方法があります。
しかし、これは推奨されません。

プロファイルを変更セットに含めると、基本的にはプロファイルに設定された他の設定内容も移行されます。
そのため、Sandbox作成後に本番環境でのみ変更した設定が、Sandboxの古い設定で上書きしてしまうなど、意図しない設定が反映されることが起こる危険性があるのです。

推奨される解決方法:手動での項目レベルセキュリティ設定

最も安全で確実な方法は、本番環境で項目レベルセキュリティを手動で設定することです。

手順

  1. 本番環境にログインする
  2. 設定から「オブジェクトマネージャー」に移動する
  3. 対象のカスタムオブジェクトを見つけて選択する
  4. 左側のメニューから「項目とリレーション」を選択する
  5. 設定が必要な項目を見つけ、その項目名をクリックする
  6. 「項目レベルセキュリティ」ボタンをクリックする
  7. 必要なプロファイルに対して、「参照可能」と「参照のみ」のチェックボックスを適切に設定する
  8. 「保存」をクリックする

上図のように、リリースのみでは参照権限がなにも付与されていない状態です。

注意点

  • 各項目に対して同じ作業を繰り返す必要があります
  • 設定後は必ずページレイアウトで表示を確認してください

まとめ

Sandboxから本番環境へのカスタムオブジェクトのリリースプロセスにおいて、項目レベルセキュリティの設定は非常に重要です。
変更セットだけに頼らず、手動での設定を忘れずに行うことが、スムーズなリリースの鍵となります。
また、リリース後の確認も欠かせません。
ページレイアウトや権限設定を細かくチェックすることで、問題を早期に発見し、修正することができます。
私はこの経験から、「自動化に頼りすぎない」という教訓を学びました。
Salesforceの開発とリリースプロセスにおいて、人間の目による確認と手動での調整は、依然として重要ということですね・・・!

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エイベリー(Avery)は、性別や人類を超越した存在。人とコミュニケーションをとる方法を探していた時に、Surpassが支援しているSalesforceを知りました。Salesforceを知らない人にも優しく丁寧に、営業や会社のお困り事を解決するノウハウを教えてくれます。

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